ふくぺでぃ

いまが旬!あんぽ柿

11月頃になると目にするようになるオレンジ色のカーテン。福島の冬の名産のひとつあんぽ柿は、その製造過程も風物詩になっていますね。柿が吊るされているのを見て、冬の訪れを感じる方もいるのではないでしょうか。

 

あんぽ柿は伊達市梁川町の五十沢地区が発祥なのをご存じでしたか?あんぽ柿の謂れは、柿の皮を剥いて天日干しする「天干し柿(あまほしがき)」が訛ってあんぽ柿になったのだとか。(諸説あり)

画像提供:種まきうさぎ(株)

 

五十沢地区では大正12年(1923年)にあんぽ柿の出荷組合が創立され、令和4年(2022年)で誕生から100年を迎えました!

そんなあんぽ柿の生産量は福島県が全国1位。そのうち約9割の出荷量がなんと伊達地区産なのです。「伊達のあんぽ柿」は福島県ブランド認証産品にも選定されています。さらに、令和5年1月には地域で育まれた特産品のブランドを守る、国のGI(地理的表示)認証産品にも登録されました。

 

そもそも、「あんぽ柿ってなに?」「干し柿とは違うの?」という方もいるかと思うので、あんぽ柿のご紹介をさせていただきます。

 

あんぽ柿と干し柿の最大の違いはその製造工程です。干し柿は渋柿の皮を剥き、乾燥させて作りますが、あんぽ柿は硫黄で燻蒸してから乾燥させます。単に干しただけの干し柿は乾燥すると黒くなります。それに対し、あんぽ柿は硫黄で燻蒸することで干し柿の黒変を防止し、色艶の良い鮮やかなオレンジ色の果肉になります。

また、あんぽ柿は一般的な干し柿に比べて水分が多いため、食感は柔らかく中身はとろりとしていています。糖度も高く、口の中で長く続く上品な甘みを感じられます。栄養面ではあんぽ柿と干し柿で大きな差はありませんが、生柿と比べるとビタミンA、βカロテン、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。

画像提供:種まきうさぎ(株)

 

そのまま食べてももちろんおいしいあんぽ柿ですが、ひと手間加えることで味変もできます。

 

例えば、

 

・クリームチーズと一緒に食べる

・冷凍してから食べる

・てんぷらにする

 

などといった食べ方もあるようです。なかでもチーズとの相性はよく、食パンにバターを塗ってあんぽ柿とチーズを挟んだホットサンドとかもおすすめです。

 

伊達のあんぽ柿は伊達市周辺の道の駅やJAおよび量販店などで購入できます。おいしく食べて、また次の100年につなげていきたいですね。